福島潟は、193haのうち163haが「国指定鳥獣保護区」に指定されていて、春から夏にかけて、ヨシ原ではオオヨシキリやカッコウがさえずり、ヤナギの木にはゴイサギやコサギが群れをなし、マコモの茂る水ぎわではバンやカイツブリが抱卵しています。
秋から冬になると、水辺はオオヒシクイやコハクチョウ、カモたちで賑わい、ヨシ原にはカシラダカ、アオジ、オオジュリンなどたくさんの小鳥たちが訪れます。また、オジロワシやオオタカなども冬を通してその雄姿をみせてくれます。
福島潟は、たくさんの鳥たちに繁殖地、渡りの中継地、越冬地として利用されているため、環境省が、日本で最初の「1級鳥類観測ステーション」を設置し、山階鳥類研究所によって、ヨシ原で捕獲した鳥の足に標識リングをつけて再放鳥する標識調査が、毎年組織的に行われています。毎年放鳥数が上位を占めているのは、ヨシ原を集団ねぐらとするカシラダカ、アオジ、オオジュリン、カワラヒワ、スズメの5種で、移動に関する貴重な回収記録も数多く得られています。留鳥と思われていたスズメは、本州山脈を越えて太平洋まで長距離移動をすることが判明しました。
カシラダカなどの冬鳥は、日本列島沿いに移動することが裏付けられ、ヒシクイ(オオヒシクイ)は、北海道南部ウトナイ湖を通過して北上し、さらに宮城県伊豆沼に渡来するヒシクイ(ヒシクイ)とは亜種を異にすることもわかりました。また、新潟県ではおよそ400種の野鳥が確認されていますが、福島潟では220種の野鳥が観察されています。
このように野鳥の種類、数とも豊かな福島潟は、鳥たちの野生の生態を観察する絶好の場所で、国内はもちろん外国からも注目されています。 |
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