ドク・オーチャン:パートII October 2007
--スポーツの秋--
スポーツの秋について筆者の意見を一言。
暑い暑い夏の季節が過ぎて、ようやくしのぎ易い秋がやって来ました。涼しいこの季節に、思いっきり身体を動かしてスポーツに熱中するのも悪くありません。
しかし、筆者は元来スポーツが苦手です。高校までの体育の授業はほとんど楽しくありませんでした。ですから、毎年秋のこの時期にある運動会は、一回だけを除いて、ほとんど楽しい想い出がありません。
その一回だけというのは、中3の秋の運動会で、200m走で一等になった時です。この時ばかりは、「ヤッター!」と大喜びしました。しかし、それなりに訳があったのです。実は、中学入学時に陸上競技部のある先輩に目を付けられておりました。その先輩は「中学生はどこかの運動部に入らなければならないが、君は足が良さそうだから是非陸上競技部に入るべきだ」というように筆者をおだて、ごく気軽に入ってしまったのが発端でした。
毎日放課後になるとタンクトップに短いトランクスとスパイク・シューズに着替え、グラウンドに出てウォーミング・アップに400mトラックを軽く数周してから、国道に出て隣町までの往復10kmのランニングを繰り返しました。この毎日の陸上部の部活は、あまり体力の無い筆者にとっては、けっこうきついものでした。部活の先輩や後輩とも仲良くはなったのですが、何しろ疲れが溜まっていたせいか、怪我が絶えませんでした。足首を捻挫したり、転んで瞼の上を切ったりと、中学のそばにある三谷外科医院にしょっちゅう通いました。
しかし、当時数学の担任でもあった部活の顧問の藤木先生は、私のようなひ弱そうな部員にも丁寧に、走り方、蹴りだし方、手の振り方や呼吸の仕方などを教えてくれ、実際にいかに早く効率よく走るかを学ばせてくれました。そのような甲斐があってか、中学では競走や跳躍で記録が伸びてきました。その一端が中3の運動会での一等だったのです。
これは筆者自身のスポーツ感ですが、もし義務教育の学校で、生徒の皆が楽しんでやれないようであるならば、運動会は無くしてしまうか、あるいは全く別な自由参加の行事にしても良いのではないかと思います。
というのは、筆者の専門診療である小児精神科・小児神経科を訪れる子どもたちのほとんどが、運動会を好ましく思っていないからです。暑い盛りに戸外のかんかん照りの中でしつこい位にマスゲームの練習をさせられ、体調を崩してしまう患児がけっこう多いのです。そこまで嫌なことを我慢させてがんばらせてやる意味があるのでしょうか。
筆者は大勢の子どもたちがそろってマスゲームをやらされたり整列行進をさせられたりしているのを見るにつけ、思わずかつてのナチスの軍隊行進のフィルムを想い出してしまいます。そのような規律正しい子どもたちの様子を教壇の上から謁見して悦に入っている教師も多いのかも知れませんが、もうそろそろ止めにしてはどうかと思うのです。もしかしたら、何方からかきついお叱りを受けるかも知れませんが。
(写真は運動会のリレーです)