ドク・オーチャン の 電子マンガ・クリニック

カルテ11 尿路感染症のお話

 ● 尿路感染症とは?
   尿は、腎臓マ腎盂マ尿管マ膀胱マ尿道を
  順に通って排泄されますが、これらを
  まとめて「尿路」といいます。
   細菌は、この逆に、尿道マ膀胱マ尿管マ
  腎盂マ腎臓という経路で侵入します。
  初めの症状は、尿の回数が増えたり(頻尿)、
  排尿時に痛んだり(排尿痛)、見た目で
  ピンクや赤い色の尿(血尿)が出たりして、
  パンツに色の付いたしみが見られることが
  あります。そして、この頃に炎症が次々と
  上に広がり、最後に「腎盂腎炎(あるいは
  腎盂炎)」が起こると高熱が出てきます。
   腎盂腎炎を放っておくと、血液をきれいにする
  工場が壊されて工場排水が出にくくなり、血液が汚いままなので、
  いろいろな困った病気の元になります。



 ● 尿は身体の工場排水
  ヒトの身体は大まかに見ると、上と下に穴が
 開いている筒のような作りになっています。
  筒の上の口(口や鼻の穴)から食べ物や空気を
 取り込みます。食べ物や空気は、ちょうど身体
 という大きな工場のエネルギーや原料に
 例えられます。
  身体にとって不要な物は筒の下の口
 (肛門や尿道口)から大便や尿として排泄されます。
  腎臓は血液をきれいにして尿を作る工場ですが、
 尿は身体の不要物を水に溶かして捨ててしまう
 工場排水に例えられます。

 ● 意外に多い、子どもの尿路感染症
   オシッコやウンチのことは、どうも汚いとか
  恥ずかしいとかで、とかく無視されたり
  忘れられがちですが、どっこい、とても大事な
  ものなのです!決しておろそかにしないで下さい。
   尿路感染症は小児の細菌感染症の中で、
  呼吸器系感染症(風邪、気管支炎、肺炎など)と
  並んで頻度の多いものです。
   子どもの腎臓病の中でも、新生時期から
  乳幼児期にかけては尿路感染症が最もよく
  見られます。
   決しておむつをしていること自体が原因になる
  訳ではありませんが、オシッコで濡れているのに
  長時間取り替えないのはやはり考え物です。

 ● 発熱したら尿路感染症も疑え!
   子どもの発熱の原因は、身体の上の方、
  首から上の部分の感染症(ウイルスが多い)
  が大部分ですが、身体の下の方、尿路からの
  細菌感染も原因になります。
   子どもが発熱して、もし呼吸器感染や
  中耳炎の症状が無かったなら、尿路感染症を
  疑ってみましょう。そしてもし、子どもの
  陰部局所が赤くただれていたら、早めに
  お医者さんで検尿していただきましょう。
   尿道の長さが短いせいか、女児の方が
  尿路感染症が多いようです。

 ● 潜血反応と白血球反応
   最近は、プラスチックのスティックを尿に浸して、
  外来で何種類もの検尿が簡単にできるように
  なりました。
   「潜血反応」と「白血球反応」もその一つで、
  すぐに結果が分かります。このような反応が
  「プラス」に出たときは、尿を顕微鏡で見る検査や、
  細菌培養の検査をする必要があります。
  顕微鏡で見て、一定数よりもたくさんの細菌がいれば、
  その細菌による尿路感染症です。
   たいていは便に含まれているような病原性大腸菌の
  一種が原因になります。

 ● 尿路感染症は手早くしっかり治そう!
   尿路感染症は一度起こすと再発しやすくなります。
  疲れや風邪などで消耗した時に、防衛軍の白血球も
  弱ってしまうと、普段は弱い細菌が勢いを付けて
  侵入して来ます。こういう弱みにつけ込んだ感染の
  ことを、細菌の「日和見感染」と言います。
  日和見感染を許さないためにも、尿路感染症は
  しっかりと治しておきましょう。


教えて!ドク・オーチャン

 ?市販薬を飲ませるとき、年齢と体重、どちらに合わせたらいいの?
   お医者さんからもらう薬は、子どもの体重で量を決めると聞きました。
  でも市販薬は、年齢毎に飲む量が指示されています。
   実は、うちの子、すごく身体が大きくて、
  2歳10カ月で17.5kgもあるんです。
  2歳の分量を飲ませるだけで効き目があるのかどうか不安です。
  かと言って、多めに飲ませるのも怖いし・・。
  どちらを基準にしたら、良いでしょう。

お答え!

 !市販薬は多少、多めに飲んでも大丈夫!
   薬の量はたいてい体重で決めています。
  小児の薬を処方するときは、体重1kg当たりの量で計算します。
  ですから、年齢毎の投与量というのはかなり大ざっぱです。
  もっとも、たいていの市販薬、特に小児用は、それ程強力なものはありません。
  あまり良く効かない代わりに、多少多めに飲んでも
  問題が起こることはほとんどありません。
   ちなみに、お子さんはもう既に4〜5歳並の体重ですから、
  その年齢で書いてある量を飲まなければ、効き目が無いかも知れません。