ドク・オーチャン の 電子マンガ・クリニック
カルテ16 お母さんに言いたくて言えなかったこと ● 2003年、明けましておめでとうございます
ドク・オーチャンシリーズも今回で3年目に入ります。これも皆様の大きなご支援のおかげと、大変感謝しております。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
さて今回は病気のお話ではないのですが、毎日の小児科診療の中で、医師としてときどき感じていることがテーマです。しかも、子育てにはとても大切なことなのに、なかなかお母さん方に面と向かって言いにくいことなのです。それは、ほとんどのお母さん方がそれに気付かず、突然指摘されると面食らって気を悪くするかも知れないからです。
今月のドク・オーチャンを読んで、ちょっとチクチク感じてしまうお母さんがいるかも知れません。
● 医者の診察・治療は、目、耳、鼻、手、口を全て使う
医者は患者を、目で見て、耳で聞いて、鼻でかいで、手で触り、口で様子を聞いたりして治療をします。
診察前の「おやつ」や「きつい臭い」などは医者のセンサーを狂わせてしまい、正しい診断と治療ができなくなることがあります。きつい臭いは本来ある病気の時に出てくる特有の臭いを消してしまいます。また、おやつを食べたり飲んだりすると、口の中の色が変わったり、舌圧子(「アーン」した時に舌を押さえる道具)を入れた時に吐いてしまいます。
病気を早く治すため、医者がちゃんと診察できるように準備しましょう。
● お母さんのファッション
診察の時とても奇抜なファッションで来るお母さんがいますが、子どもの相手をする時に機能的か?ということをまず考えて下さい。コギャル・ファッションでは子どもと鬼ごっこはできません。自分のファッションに気を使うお母さんに限って、子どもの服装には無頓着なことがよくあります。子どもは靴のひもが解けていたり、袖や襟が汚れていることもあります。
子どもは親が思いもよらぬことをすることがあります。子どもや自分自身のけがや事故につながりそうなファッションは、子どもがまだ小さい時期には控えましょう。一段落して余裕ができてから、いろいろなアクセサリーやファッションの趣味を本格的に始めても遅くはありません。
● 「甘やかす」ことと、「甘えさせる」ことは違う
待合いで大声を上げたり泣きわめいたりして他人に迷惑をかけても叱らないどころか、「誰の子?」とばかり全く知らん顔の親がいるのには驚きです。病気の時は気分が悪く泣きわめくのは仕方がありませんが、よく言い聞かせて他人にも気を配ることを教えるべきでしょう。「甘やかす」ことは子どもを無視することです。
私の勤める病院で、入院中に看護師の言うことは聞かぬわ、悪戯はするわで、とんでもない子どもがいて、親に話すと、意外に「うちの子に限って・・・」というお叱りを受けたことがあります。こういう子どもは親の前では「良い子」を装っていて、場面を使い分けているようです。親が常に厳し過ぎて、甘えさせることが少ないのかも知れません。プチタン年代の子どもより少し大きい子でしたが、「甘えさせる」ことと、「甘やかす」ことは全く意味が違うのです。
● 親を叩いたり蹴ったりする子
最近の親子関係で驚きなのは、子どもが親を叩いたり蹴ったりすることです。これは、人前では親が甘くなるのを見透かされているからでしょうが、このような時、すかさず親はもっと厳しい態度で接するべきでしょう。
ごく稀ですが、医者や看護師まで叩いたり蹴ったりする、不届き者もいます。これも、医者や看護師が決して叱らないというのを見透かしての狼藉でしょう。たまに医者や看護師が子どもに注意したりすると、却って驚いている、何とも呆れた親さえいるのです。
● 子どもにマニキュア、シンナーは良くない!
シンナーの成分は、大量に吸い込むと脳の組織を溶かしてしまうのをご存じでしょうか?シンナーは有機溶剤で、脂肪を溶かす作用があります。脳の組織の大部分は脂肪なので、大量に吸い込まれたシンナーは脳に届くと本当に脳を溶かしてしまうかも知れないのです。「シンナー遊び」の害はこれなのです。マニキュワ程度では、それ程ピリピリすることはないのですが、特に小さな子どもにはあまり吸わせたくないものです。マニキュワは子どもの手の届く所には絶対に置かないように。
● タバコは子育てに禁物!
このマンガの中で、やめるようにおすすめしたことは、絶対にやめなければならない訳ではありません。しかし、少なくとも急患として子どもを診察に連れて来る時は、できるだけ控えて欲しいものです。
ただし、お母さんの喫煙は例外です。これは妊娠中あるいは子育て中の母親としては、絶対にすべきではありません。乳幼児がよく誤嚥するもので、特に恐ろしいのはタバコです。小指の先位の量でも子どもにとっては致命的になり得るのです。そうなると親の責任は免れません!
タバコでやせられると思っているお母さん方はご用心。顔色は青ざめ、唇はどす黒く、爪は黄色に染まり、おまけに吐く息はタバコ臭くなって、子どもにとっての幼い頃の健康な優しいママのイメージを壊してしまう(意地悪な魔法使いのお婆さんにしか見えない)ことは請け合いです。あるドクターから聞いた話では、家族に喫煙者がいる子どもの肺の手術をしたらヤニがいっぱい貯まっていたそうです。極端なことを言えば、これは国の責任でもあります。
?解熱剤は使わない方がいいの?
教えて!ドク・オーチャン
息子の幼稚園は、食べ物などにこだわりを持った親が多いのですが、薬も「高熱が出ても解熱剤は使わない」と言う人がいて、驚きました。私は39度を超えたら使わずにはいれません。解熱剤は使い方で危険性とかあるものなのですか?上手な使い方とかあれば教えて下さい。!使う量と回数を守れば大丈夫!
お答え!
高熱によって、ウイルスの力が抑えられ、白血球や抗体の力が増して抵抗力が強くなるといいます。しかし、稀に熱が高過ぎると一時的に、けいれんや錯乱、もうろう状態といった、都合の悪いことが起こることもあります。もし高熱でつらそうだったり、ぐったりしているようなら、解熱剤で症状を軽くした方が良いでしょう。
解熱剤は、薬の種類によって効き目が違います。年齢や体重に合わせた量と、使う回数とをしっかり守りましょう。違った種類の解熱剤でも、時間をあけずに使うと熱が下がり過ぎてショック状態になることがあります。
解熱剤は病気を治す薬ではありません。ですから病気自体が治っていなければ、解熱剤の効果が切れる頃に再び熱が上がります。6時間以上はあけて、1日3回位までにしましょう。プチタンの年代では、高熱の時に吐くことがよくあるので、下痢がひどくなければ坐剤の方が便利です。
最近、インフルエンザ脳症と強力な解熱剤との関係が問題になっています。「アセトアミノフェン」という解熱剤は比較的安全です。予防接種をおすすめしますが、早めに服用すればインフルエンザが軽く済むような薬もできています。
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