ドク・オーチャン の 電子マンガ・クリニック

カルテ6 検証-寝る子は育つ

  まだ暑い日が続きますね!
 
まだ日が長く、夜遅くなっても涼しくならず
 寝苦しいので、
 子どももとかく夜更かししがちです。
  今回は、子どもの睡眠について、
 少し科学的に検証してみましょう。


サーカディアン・リズムとは?
  地球の自転に合わせて仕掛けられた体内時計
 一回りする周期のことです。
 人はもちろん、地球上のほとんどの生物が、
 このリズムを刻む体内時計を持っています。
  人の体内時計は脳の中心にあって、
 自律神経やホルモンの活動に昼と夜のリズムを与えます。
  このリズムにより、体の中でも昼と夜が繰り返され、
 活動と休息(睡眠)が交互に繰り返されます。

  夜行性の動物でも、昼と夜を逆転させた
 サーカデイアン・リズムを持っています。

サーカディアン・リズムがくずれると?
  最も身近な例は、海外旅行の時に感じる
 「ジェット・ラグ(時差ボケ)」です。これは、
 ジェット機でひとっ飛びに地球の反対側に行ったとき、
 一時的にこのリズムがくずれるからです。しかし、
 一両日で体が慣れてきます。
 これは、現地で時計を合わせるのと同じように、
 体内時計も現地の昼と夜に合わせて
 新たに時計をセットし直すからです。
 このように、人の体には体内時計を
 うまく自動調整する能力がそなわっていますから、
 ほとんど問題は起こりません。

子どもの夜更かしは良くない?
  昔から「早寝、早起きは健康に良い」とか、
 「早起きは三文の得」とか言われます。
 これは、文明が発達して、真夜中でも全く不自由なく仕事が
 できるようになった現代では、むしろ死語に近いような気もします。
 大半の大人では、体内時計が実際の昼と夜のリズムと
 かなりずれているでしょう。
  まだ心身共に未熟な子どもでは、やはり体内時計を実際の
 昼と夜のリズムにできるだけ合わせる方が良い
でしょう。
 しかし、実際にはかなり自動調整が利きますから、それほど
 神経質になる必要はありません。
  余談ですが、日本も戦後間もない頃、夏に時間を1時間遅らせる
 「夏時間(サマー・タイム)」にしたことがあります。
 しかし、欧米のように夏はのんびり昼間の余暇を過ごそうという
 本来の意図とは裏腹に、まじめで勤勉だった日本人は、
 仕事の時間を増やしただけで
 返って皆が迷惑したという苦い経験があり、
 その後は誰も夏時間のことを口にしなくなりました。

覚醒と睡眠のリズムが大切!
  現代は、いろいろな職業があり、いろいろな家族の営みがあります。
 ですから、家族の職業によって、起きる時間や寝る時間はまちまちで、
 子どもでも早寝、早起きができないことがあります。その場合、
 その家族なりの決まったリズムで、ちゃんと一定の睡眠時間が取れていれば、
 問題はないでしょう。多少の夜更かしや朝寝坊でも、毎日一定の覚醒と睡眠の
 リズムが保たれていれば、良いのではないでしょうか。

宇宙旅行時代の睡眠
  プチタンの年代(1-4歳)の子ども達が大人になる頃には、
 宇宙旅行も簡単にできるようになっているでしょう。
 宇宙旅行では、もはや太陽が昇ったり沈んだりする昼と夜はありません。
 この時、人間は自分で時間を決めて睡眠を取り、
 体内時計のリズムをしっかり保っていかなければなりません。
 未来の子どもの身体は、どんどん新しい環境に適応して行くことでしょう。

子どもには夢がいっぱい!
  子どもの睡眠時間は大人に比べ長いものです。
 また、レム睡眠も長く、大人で全睡眠7〜8時間の
 5分の1(1〜1.5時間)以下なのに対し、
 プチタンの年代の子どもでは全睡眠11〜12時間の
 4分の1(2.5〜3時間)もあります。子どもはたくさん眠り、
 たくさん夢を見ます。
  眠りながら心身が成長、発達していきます。
  「子どもの頃には夢がいっぱいある」と言われますが、
 「ドリーム」だけでなく「ファンタジー」としての夢が
 たくさんあることも、レム睡眠が長いことから
 言えるのでしょう。
子どもの睡眠中のエピソード
  子どもは、寝入りばなに、
 よく手足をピクつかせる
 ことがあります。これは、
 乳眠期の生理的ミオクロニー
 といわれ、全く無害なものです。
 また、夜驚症、夢遊病、夜尿など、睡眠中の変わった
 エピソードも、よく子どもの時代に見られるものです。
 これらは、脳の発達途上で、レム睡眠が多いことや、
 睡眠が深くなったり浅くなったりする周期が
 不安定なことなどから、起こりやすいとも言われます。

教えて!ドク・オーチャン
 ?昼寝をしなくて大丈夫?
   2歳10カ月の娘は、最近、昼寝をしません。朝7時半頃起きて、
  夜の8時半か9時位までずっと起きています。このままで寝不足になりませんか。
 

お答え!
 !夜、たっぷり寝ていれば大丈夫!
  3歳近くになると、昼寝をしなくなる子どももいます。
 保育所などでは一律にお昼寝の時間を取りますが、
 中には全く寝ない子どももいます。
  今回のマンガの2ページ目、上段真ん中のグラフ
 (下欄にも拡大図があります)を見て下さい。
 このグラフから、2〜3歳の子どもの睡眠時間は12時間位
 
ということがわかります。
 しかし、これはあくまでも平均的なもので、
 2〜3歳の子どもが必ずしも12時間寝なければならない
 という訳ではありません。個人差がありますから、
 1時間位の増減があっても問題はありません。
 お子さんの睡眠時間は毎晩11時間位ですから、
 この年齢では不足していることにはなりません。
 ですから、昼寝はしなくても良いでしょう。
 子どもは大人のように意図的に睡眠時間を削ることは
 できません。脳の中の自動調節装置が働くので、
 眠たければどこででも必ず寝てしまいます。
 これは、子どもが自分の身体を健康に保とうとする自己防御反応なのです。