カニさんの恋物語  ……どうもドルドレイの様子が変だ。  それに最初気づいたのは、たった今対戦したばかりのアファームド・ザ・バトラーであった。 悩み事でもあるのだろうと彼は思ったが、シミュレータがおnewになってからもう半年近く。 自分の姿とかで悩むには、あまりにも遅すぎる。  だとしたら、もっと別のことだ。 「仕方ねーな」  頭をぽりぽりとかきつつ、彼はため息をついた。  悩み事があるなら、聞いてやればいい。そうすれば、少しは楽になれるはずだから。  まあこれは、フェイ‐イェンknのうけうりだが……  彼は外へと踏み出していた足を室内へと戻し、おそらくはドルドレイがいると思う休憩用サ ロンの方へと歩き出した。  自動で開かれるドアをくぐり、バトラーはあたりを見回した。  一見誰もいないように見えるが、注意して視線をはわせると、部屋のすみに見知った背中が あるのに気がついた。  枯葉色のカラーリングの背には、大文字で“DORDRY”と描かれている。それゆえに、その背 中が誰なのかは確実にわかる。まあそれは、一種の目印みたいなものだ。 「ドルドレイ」  そちらの方に近寄りながら、バトラーはドルドレイの名を呼ぶ。その声に反応し、ドルドレ イの背中がぴくりっと揺れた。彼はゆっくりとバトラーの方へと振り返る。その目はどうもぼ んやりとしている……というよりは、どこか遠くの彼方を見ているようだ。  バトラーは彼の向かいに腰をおろし、床にあぐらをかくと、ドルドレイの顔を真正面から見 据えた。  彼はしばらくドルドレイの目をのぞき込んでいたが、らちがあかずに口を開くと、 「なあドルドレイ。なんか悩み事でもあんのか?」 「まあ、ちょいとな」  あっさりと答えてくるドルドレイに、いつものはきはきとしたものは感じられない。  それにいらだちを覚えながらも、バトラーはさらに言う。 「悩み事があんなら話せよ。俺はフェイみたいになんでも解決しようとは思わねぇが、悩み事 の相談にのってやることは出来るんだぜ?」  我ながらテレるセリフだぜ……と内心でつぶやきながらも、彼はきちんと言ってやる。こう いうことは彼よりも、弟のストライカーの方が適任なのだが、その本人はまだシミュレータ内 でまだ戦闘中のために、この場にいないのであるから、仕方ない。  バトラーはガマン強く、ドルドレイの言葉を待った。フェイほどではないが、彼とて人情に は厚い。他の連中がもしも悩んでいたら、せめてちょっとでも楽にしてやるのが一番ではない か? そういう考えを彼は常に持っている。 「悩みってほどじゃあねぇんだがよ……」  ややあっと口を開き、ドルドレイは言う。やはり先ほどと同じく、口調は少々暗い。 「なんだよ。言ってみろ」 「その前に、ひとつ聞いていいか?」 「きちんとお前が話してくれるのならば、な」 「……」  無言のままうなずくドルドレイに、バトラーは小さく笑みを浮かべた。それは無言のうちに かわされた約束でもあった。  ドルドレイはバトラーの顔をまっすぐに見、そして口を開いた。 「バトラーよぅ。お前、フェイのことどう思う?」 「…………あ?」  ドルドレイの、なんとも言えない質問に、バトラーはまぬけな声をあげた。  無理もない。  深刻そうな悩み事をしているのかと思っていたのに、いきなりフェイのことについて尋ねら れたのだから。 (──フェイのことどう思ってるって!? そりゃああいつは以前に比べてお子さまになっちま ったし、行動もそれに輪がかかってるが、そこがあいつらしいところ……って違う違う。   それ以外っていえば、誰にだって元気を振りまくし、何よりもそれが俺達にとって、楽しく なれる理由みたいなものだよなぁ)  ぐるぐると頭の中で考えをめぐらせてひとり困惑するが、そこは職業軍人。そんなことはお くびにも出さずに彼は口を開いた。 「前よりもかわいくなっちまった。としか言えないが……フェイがどうかしたのか?」  あごの下に手をやって、バトラーはあっさりと言ってやる。  それに対しドルドレイは、彼の答えに深いため息をつき、 「やっぱ“かわいい”よな。あいつは」 「そりゃあな」 「……お前だけに話すんだよ。  ここ最近、俺はあいつを見ていると、妙に胸が……っていうか、クリスタルが激しく回転す るんだ。俺自身にも止めらんねぇくらいに。だがあいつがいねぇ時は、体中が空っぽになった みてぇになっちまうんだ」 「お前、まさかそれって──」 「俺もわかってるさ。いつしか、あいつを好きになっちまってることぐれぇはな」 「………恋、ねえ……」  ぽつりとつぶやきつつ、彼は今までのドルドレイの挙動に納得がいった。  ドルドレイは『変』になったのではなく、『恋』をしているのだということが。  しかし──  そこでバトラーは怪訝そうな顔をした。ドルドレイの瞳に、ハートビームを受けた形跡はな い。だが、強固な精神の上に、さらに超のつく強固な体を持つ彼が、こうも簡単に変わってし まうものなのだろうか? (ま、恋は人を変えるって言うからな)  自分の中で結論づけて、バトラーは再度ドルドレイに問う。 「で、その続きは?」 「この気持ち、隠すわけにはいかねぇだろうから、あいつに言ってみるさ」 「当たってくだけろって、昔から言うからな」  あきれたように、バトラーは言う。  なんだと思えば、『恋の悩み』とはねえ──ドルドレイには少々にあわない言葉(失礼だが) ことではあるが、バーチャロイドを長くやっていれば、そんなこともあるだろう。  自嘲するように苦笑いを浮かべ、ドルドレイは言う。 「だがな。たとえ俺があいつに好きだ、と言ったとしても、それにあいつが応えてくれるか、す こし恐ぇんだ」 「なんだよ、らしくねぇな。  ここは一発、男らしくぶつかってみたらどうだ?」 「ぶつかってみる。か!?」 「ああ。うじうじしてたって、いつまでたっても答えは見えてこないんだ。それだったら、せ めて自分で道をつくってみろ!」 「自分で………道を……」   バトラーらしくないセリフでドルドレイがどう思ったかは知らないが、彼はなにやら小さな 声でつぶやきつつ、その場を立った。とはいっても、それでも彼の身長は、バトラーと頭ひとつ 半ほど違う。  ドルドレイは右手の万力をかちんっと一回鳴らすと、無言でサロンを出ていった。  それに対しバトラーは、これから起こる展開がなんとなく読めたらしく、少々複雑な笑みを 浮かべていた。    ……そして次の日。  毎日のように朝から始まるシミュレータの中で、それは起こったのであった。 「やっほードルドレイ。おっはよー!!」  今日も朝から元気なフェイが、対戦相手であるドルドレイに声をかける。しかしドルドレイ は、いつもなら答えられるはずのフェイのあいさつに答えられない。彼は少し顔を赤らめて、 わずかにフェイから視線をそらしていた。  それに気づいたのか、フェイは頬をぷうっとふくらませ、怒ったように言う。 「ドルドレイ暗いよー。いつもの明るさはどーしたの?」 「それよりも、始まるぞ」 「なによー。あたしに隠しごとでもしてるの?」 「ンなわけねぇだろ!!」  図星を突かれ、ドルドレイは思わず叫び声をあげた。  しかし、それを聞いたフェイは、きゃははっと笑い声をあげた。 「やっとらしくなったね。じゃ、はじめよっか」  フェイがそう言うのと同時に、  ──get ready。  勝負の開始を告げる声が、あたりに響きわたった。  やけにぎこちなく攻撃を仕掛けてくるドルドレイに、フェイは眉をひそめ、それでも攻撃を 止めることをしない。というか、今自分を操っているパイロットがそんなことに気を止めるわ けないなのだから、しょうがない。  シミュレータ内にいる以上、彼等は自らの意志で動くことは出来ない。ようは、自分につい たパイロットに従っていくことしかできないのだ。 「ドルドレイー、らしくないよー!!」  言いながらフェイは、ドルドレイとすれ違いざまにハートビームを発射。しかしそれは、ド ルドレイにとっては当たっても痛くもかゆくもない。  逆にドルドレイが、フェイのダッシュ硬直を狙い、しゃがみダッシュでのファイアーボール を連射する。これがクリーンヒットすれば、フェイのような軽量級なら、シールドゲージをか なりもっていける。  とはいっても、当ててしまっては、今のドルドレイにとって意味がない。  だが、自分の意志でそれを変えることは出来ない。 「フェイ。すまねぇ」  苦い表情とともに、ドルドレイはつぶやく。  たしかにこれでは、フェイに告白どころか、その前に彼女を倒してしまいそうだ。  それだけは絶対に避けたい。  だが。 「よっと」  ダッシュが終わると同時にジャンプをしたフェイは、自分に向かってきたファイアーボール を、多少のダメージ覚悟で回避する。全バーチャロイド1の機動力は伊達ではないのだ。  それは、ドルドレイのファイアーボールの数とて同様だ。彼女が全部避けたと思ったファイ アーボールの最後の一発が、フェイにぶつかり、彼女の目にちょっとだけ怒りがはしった。  もちろん、ドルドレイにはわからない。  しかし彼は、こっそりと安堵の息を吐き出しいた。  今度はドルドレイのダッシュ硬直を狙って、フェイが左手のソードを振った。その軌跡は光 をおび、光弾となってドルドレイに向かって飛んでいく。  対するドルトレイは、ダッシュ硬直をフォローするために、ファイアーリングを放つ。  その行動にフェイは驚くが、即座に彼女は回避に移る。  が、そのリングはフェイの予想よりも早いスピードでフェイをとらえ、彼女を直撃した。  直撃と同時にフェイは転倒。地面に体を打ちつけると同時に「いったーい!」と大げさに悲 鳴をあげた。 「!!」  彼女のその声に、ドルドレイの動きが一瞬止まった。とはいっても、それは彼のパイロット によって無視され、何ごともなかったように彼は動き出した。  しかし、その胸中は複雑であった。  フェイに対し、攻撃はしたくない。  だが、自分を操るパイロットに逆らうことは出来ない。  だとすれば……どうすればいいのか? (そうか!!)  とその時、彼は思いついた。  このパイロットはたしか、自分の持つ2種類の突進攻撃を好んで使うはずだ。  そうとなれば、その手を使わないわけにはいかない。  ただし、かなり荒っぽい手段ではあるが……。  さてさて、それから数十秒後。  ほんのちょっとばかり、ドルドレイは苦戦していた。  いくら全バーチャロイド1の堅さを持つ彼のVアーマーでも、受けとめられるものにだって 限度はある。許容範囲以上のダメージを受ければ、Vアーマーは剥げ、相手の攻撃を弾く確率 は低くなってしまう。  まあそれでも、弱いショットくらいならはじけたりもするが。  ……対するフェイはといえば、その全身が黄金の輝きに彩られていた。  フェイ-イェンのシールド値が半分以下になったときに起こる、ハイパー化である。これに よって彼女は、攻撃力とスピードが格段に上がる。特にスピードは、全バーチャロイド1のス ピードをほこるスペシネフでさえもかすんでしまうくらいである。それゆえに、彼女に振り回 されてしまう初心者パイロットが山のようにいるのだ……。 「さー、ドルドレイ。そろそろ決めさせてもらうよ!」  まぶしいくらいの輝きの中、フェイはいつもの元気な声をさらに張り上げた。  同時に、彼女は駆け出していた。  すでにドルドレイの体力は二割を切っており、あと一発痛いものを喰らえばそれまでだ。  そうとなって困るのは、彼自身に他ならない。  ドルドレイとて、あと四割は残っている彼女の体力を削りきるのはたやすいことだ。なにし ろ彼の火力は、どんな機体をも圧倒してしまうほど、強力かつ、迷惑なのだ。ゆえに彼は、対 戦で結構嫌がられていた。 「互いにあと一発ってところか。  ……まぁ俺に言わせれば、これが最後のチャンスってトコだがな」  フェイを追いかけるかたちでダッシュをかけながら、こっそりと彼はつぶやいていた。それ は半分、自分のパイロットへの願いでもあった。自分に、あと一回のチャンスをくれ、という。  叶えてくれるかもしれない。  あっさり裏切られるかもしれない。  だが彼は、この一瞬にかけたいのだ。  と、その時。突然ドルドレイの足が止まった。  目の前には、どんどん自分にせまってくる爆弾娘の姿がある。 (頼むぜ相棒!!)  ドルドレイは全身全霊をかけて、自分のパイロットに祈った。  その間にも、フェイと彼とも距離はどんどんせばまってくる。あそこからだとぶつけてくる のはおそらく、ハートビームかダッシュ近接攻撃であろう。  それは別に彼にとってはどちらでもよかった。  次に彼が繰り出す攻撃に、全てをかけているのだから。  そして──  目の前に迫ったフェイに、彼は、無数に連なる黄色いリングを繰り出していた。  そのリングは、ダッシュ攻撃をしようとしていたフェイに当たり、そのまま彼女をしびれさ せ、動けなくした。 (よっしゃあぁぁぁ!!)  内心で彼は、ガッツポーズをしていた。  こうなったら、自分のパイロットがすることはただひとつ。  そう思うと同時に、彼はダッシュをかけ、フェイに向かって一直線に向かっていく。……も ちろんただのダッシュではなく、フェイに近づくに連れて彼は左手のドリルを前に突き出し、 その体は、オーラとも呼ぶべきフィールドに包まれていく。  その状態でフェイに接近した彼は、めいいっぱい声を張り上げて、フェイに向かって告白し た。 「フェイ!! 俺はお前のことが好きだー!!」 「……は?」  ドルドレイの突然の告白に、フェイは一瞬、脳が硬直し、一拍おいてからその体ごと、心が 真っ白になった。  そして次の瞬間。  ドルドレイのドリル突甲が、フェイの体にクリーンヒットしたのであった。  ちょうどそれを見ていた待機中のバーチャロイド達は、思わず目が点になり、その成りゆき を呆然と見ているだけであった。が、その事情を知っているバトラーだけは、なんともいえな い表情をその顔に浮かべるのであった。  それからしばらくして……  ドルドレイはいつものように、休憩用のサロンの方に足を向けていた。まだシミュレータは 終わっていないが、ちょっとの間だけ休憩時間がとれたのだ。それを有効活用しない手はない。  彼はちょっと手狭なドアをくぐり、そこでドルドレイは硬直した。  すでにそこには、先客がいたのだ。  しかもそれは、ちょっと影を背負った様子のフェイであった。  彼女はたった今入ってきたドルドレイの顔を見るなり、にへら〜という笑みを浮かべ、彼の 方に近寄っていく。そんな彼女に一瞬ドルドレイは押されたが、意を決して……というか、彼 女の答えが気になったので………一歩足を踏み出した。  やや遅れて閉まるドアを見ながら、フェイは小さく口を開いた。  どことなく彼女の顔が赤いのは、気のせいだろうか? 「あのね、ドルドレイ。さっきのことなんだけど──」 (来た来たぁー) 「あたしは、ドルドレイの気持ちには応えられないよ」  どてっ。  ドルドレイの体が、床に転がる。  どうやら、気のせいだったようだ。  床に転がるドルドレイをしっかりと見ながら、フェイはさらに続ける。 「あたしはみんなのことが大好きだから、誰かひとりを、なんていうのは決められないよ」 「そうか……」  がっくりと肩を落として、ドルドレイはつぶやく。  そんな彼の体をぽんぽんと叩いて、フェイはにっこりと笑った。 「もちろん、ドルドレイのことも大好きだよ!! 嫌いになんてなるわけはないじゃない!?」  その笑顔につられて、ドルドレイもぎこちなくはあるが、笑みを浮かべた。 「それじゃあ、あたし行くね。そろそろ呼び出しがかかるころだから」 「フェイ!」  すでに自分に背中を向けているフェイに──転がってではあるが──彼は声をかけた。 「すまなかったな」 「なにが?」 「いや………なんでもねぇ。それよりも、早く行きな。スタッフが怒らねえうちにな」 「うん。それじゃあ、またあとでねー!!」  ぱたぱたとあわただしく、フェイが去っていった。  そのあとには、どことなく黄昏た空気をしょったドルドレイだけが残っていた。しかしその 表情は、何故か晴れやかなものになっていた。彼女に告白してすっきりとしたのか、彼女の言 葉を受けてすっきりしたのかはわからないが、彼の心に、わだかまりというものがなくなって いた。  誰かひとりを愛せないけど、みんなのことを好きになれる。  あの爆弾娘も、結構考えているようだな。  自分の体をなんとが自力で起こしながら、彼はふと、そんなことを考えているのであった。                                   〜END〜       98.9.18 Saya.Hisame あとがき 「ああ。やっと終わったよハニー!!」 「誰がハニーだよ。誰が?」 「あ、ごめんね。ついつい口から出ちゃってさ。  ところでバトラー君。何しに来たの?」 「俺の出番がちょっと少ないから、こうしてあとがきを手伝いに来てやったんだ」 「ふーん。それはごくろうさま。まあ、手伝ってくれるならありがたいわ。このあたしの、ド リルで削れた精神を立ち直らせるリハビリに協力してね」 「ドリルで削れた、って、おい……」 「仕方ないでしょ、書いてるとやけに疲れてくるんだからさ。  ……この話を書くきっかけってさ、知り合いのドルドレイ使いに『ドルドレイは愛に生きる 人だ』って言われたことが、きっかけなんだよね。いや、いいんだよ。愛に生きたって、真の 主人公だって言われたってさ。  ただね、あの強さを何とかしてほしいのよ!!」 「無理言うなよ、ああいう機体なんだからよぉ。  それにお前、最近は巨大化したドルドレイに鎌回し当てて楽しんでるじゃねえか」 「ええそうよ。それでこの間、鎌回しをガードされて、そのあとガードキャンセルで足が上か ら来て、うちの子がつぶされちゃったんだからね(笑)」 「いやぁー。鎌回しがガードできるなんて、あの時まで知らなかったよな!?」  「まあ、あれも近接の一種だからね」 「ところでお前さん。鎌回しをCPUの俺に当てるとは、結構やるな。しかも、それがフィニッ シュだなんてな」 「だって、障害物の上に立って、ボーっとしてる方が悪いのよ。  めったにないチャンスを手にしたと思って、あきらめなさい。……でもあたしって、変な攻 撃をぽこぽこ当ててるのよね。鎌回しもそうだけど、ちょっとグリスを使ってみて、ダッシュ 核の発射した瞬間を当てちゃうとかさ」 「本家にも出来ないことを偶然やっちまうんだ。変っていえば変な話だ」 「悪かったわね」 「ところで、削れた精神は回復したか?」 「ちょっとはね。それに、あんまり削れてもいられないわよ。 これが終わったとはいっても、あたしは今度、『Regeneration a Conterto』を書かなきゃい けないしね」 「それってひょっとして、前回の『Death Break』の続きってヤツか?」 「ピンポーン!」 「ご苦労なことだな」 「それって、褒め言葉?」 「まあな。俺はあんたの機体よりは素直だからな」 「そうね。あんたの半分はやさしさで。もう半分は竜巻で出来ているものね」 「それは言うな!!」  「とにかく、終わらせちゃいましょ。  さてさて、ほんの短いおつきあいでしたが、ここでお別れです。  いつものように脳天気な作者こと、自称スペキラーの氷雨さや」 「お前、まだそれを言うか。  ………えーっと。ほんとは文句を言いたくて出てきた、今回出番の少ないアファームド・バ トラーでした」 「それでは皆の衆。さらばじゃ!!」                                     〜おわる〜