対策立て方講座
					by Sir.ぽぴんず

注:あらかじめ断っておきますが、この記事は「芸」抜きです(笑)

<序文>

各機体ごとの対策、というものがあります。
バルボードなどでも各機体対策に関する質問は多いです。
しかし対戦相手はAJIMと同キャラを除いても10機体あり、
大きく分けてもそれぞれに遠距離型と中・近距離型のスタイルの使い手がいます。
さらにオラタンは一ヶ月単位で戦略の移り変わっていくゲームです。
いま有効な戦法も研究が進めば役に立たなくなったり、単なる一技法に過ぎなくなったりします。
さらに各機体においても新たな戦法は開発されつづけるでしょう。
また文章で伝えられることにも限界があります。
同じ技を使っていても、使う局面、使うタイミング、位置関係の作り方によって
ビックリするほど人との違いを感じることがあります。
有利な特定の技のみを主体に据えたスタイルは自然と似かよってくるものですが、
それすら合間にどんな攻撃を組み合わせるかで印象はがらりと変わります。
むしろ対策とは機体よりプレイヤー個人へ向けて立てられるべきものでしょう。
しかしネットの向こう側の人は自分の対戦相手を知りませんから、
いきおい類型的な機体別対策を書くより他無いのです。
まあこれはこれで覚えておけば初めての人との対戦のときなどなかなか役に立つものではありますが。
つまり、人から教えてもらう対策は行き詰まったときのヒントにはなっても
結局のところ対戦を作っていくのは自分自身と対戦相手なのです。

自分のような「見てかわす」ことの苦手な人間にとって、
対策の出来ていない相手は常に勝率の悪いものです。
「超先出し機体」であるMyバルにとって相手の先の展開を「読めない」ことはかなりツライことです。
今回5.4では「出しときゃ安心」的な強力な武装のないぶん、
その傾向はさらに強くなっているように思います。
しかしまったく歯が立たない相手に対して、
連携の主体を変えただけで互角以上の戦いが出来てしまった経験はないでしょうか?
または相手が自分の連携に吸いこまれるように瞬殺出来てしまった事は?

今回のバルは際立った武装のないぶん、
裏を返せばどんな武装を主体としても工夫すればそこそこ強力な連携が作れる、
という利点を持っています。
相手の狙いを外し、相手の弱点に合わせて連携を構築する・・・
テムジンがその平均的な性能を生かしてどんな相手にも有利な点を見出せるように、
バルは相手に合わせて性能パラメーターを変化させることによって
有利な部分を作り出していける機体です。
他の機体に比べて面倒な作業ではではありますが、
それはパズル的なバルの楽しさのひとつでもあると思います。
それゆえオラタンという他に類を見ない選択自由度の高いゲームにおいて、
バルは最も個性の出る、いやバルを通して己を主張すらできる機体です。
それなりのバル使いのプレイならば画面だけ見ていても誰がやっているのか分かるのが普通ですから(笑)

子供の頃ブロック遊びは好きでしたか?
そんなバルの知的な楽しみを手助けするべく、
また強い相手にぶち当たって行き詰まり、何をしても勝てない気がするような時のために、
「対策の立て方」を書いてみました。
これは自分が実際に対戦において考えていることを文章化したものです。
すべての人に役に立つとは思いませんが、
戦うにあたって「策をもって勝利を奪う」バル使いの方には参考になることと思います。

頭を柔軟に、意表を突いて、クレバーに、そして遊ぶ心を忘れずに・・・。


<実践その1>

対策を立てるに当たって自分が信条としていることは
・相手が同じ事しかしないのならばそれに負ける方が悪い。
・どんな相手にも勝つ方法はある。
・同じ相手に3度続けて負けない。(少なくとも解決の糸口を見出す)
この3点です。では具体的に考えてみましょう。

最初に大まかなタイプ分けをします。
自分は使用機体で分類するよりも相手の取る戦法で分類してます。
戦法別に機体ごとの要注意攻撃も書いておきたいのですが
自分は5.4をまだそこまでやりこんでいないのが現状です(^^;
またそういったものは地方ごとに大きく異なるのが普通です。
一応対策めいた事も書きましたが、あくまで現在の自分なりのものであり、
冒頭でも書いたように風化の宿命を持つ、気休め程度のアドバイスであるかもしれません。

・空中高機動型
回避に主眼を置くタイプです。
その分、どうしてもこちらへの攻撃が手薄になりがちなので
こちらも空中ダッシュ攻撃やジャンプRT攻撃を使った攻撃命中率重視の機動戦になると思います。
相手をうまく誘い込むのは難しいので、あまり大掛かりな仕込みは使いません。
でも捕まえる自信がある場合、デルタは狙っていっていいと思います。

・近接主体型
分かりやすいタイプです。
バルは近接強いですから出来れば近接でねじ伏せたいところですが、
こちらのロックオン距離の短さを突いて、出入りの激しい近接をやる人や、
ボムやLTカッターなんでもあり、また確定的な時のみ殴ってすぐ逃げてしまう人などには、
ビット設置で「巣」を作って待ち構え、ラピッド、リフレを狙う戦法か、
相手の接近を見越しての先出し横スラCWなどで対応すればいいでしょう。
組み合わせてもいいですね。
何度かやると相手も警戒し、簡単に近付いてこなくなるでしょうから
中・遠距離戦に切り替える心の準備も必要です。

・遠距離戦型
基本は下がってバラ撒く、人によっては消極的と取られがちなタイプです。
バルの武装は距離にとらわれないオールレンジ性がウリですから、
こちらが回避を丁寧にやって、ちゃんとマインなりビットなり手(攻撃)を出していけば
普通負ける相手ではありません。
大抵ステージを挟んでめいっぱい距離を取るので、
こちらが仕込んでステージをぐるっと半周すると
ちょうど仕込みの真っ只中に入ってくれることが多いです。
分が悪いと分かるや、隙を突いてこちらへ突っ込んでくる事も多いので、
あまり撒くのに気を取られすぎて痛いのを食らわないように。
相手が嫌気がさしたそぶりを見せたらこちらもすぐ連携を切り替えられる準備をしましょう。

・じっくり見て狙い型
回避をしっかりやりつつ、こちらの仕込みの隙などを狙ってくる、
自分にとってはなかなかイヤな相手です。
中距離型が多いでしょう。いわゆるニュートラルゾーンの戦いですね。
こちらも極力スキを見せないように迂闊なジャンプ設置、ダッシュ攻撃などは控えます。
わりとがまん比べになります。
立ちリングなど隙の少ない攻撃でこちらも相手が隙をつくるのを待ちます。
待てない人はバルカンビットとダッシュキャンセルなどの陽動で
隙(この場合はダッシュ攻撃後の硬直)を誘いましょう。
相手の硬直や障害物、自分の起き上がり無敵などをうまく使って仕込み、
相手の死角を突いて攻撃します。
相手を転ばせたら仕込みのチャンスですが、大抵しっかり見られているので、
仕掛けは忘れた頃に使いたいです。
自信があればあえて隙を見せて誘い込む手も使えます。

<実践その2>

上記のタイプ分けに当てはまらない、または対応しているつもりなのに負けてしまう、
そんなときはよく相手を観察します。
どうしても知りたいことがあったら思いきってデータ収集の為の対戦もアリです。
最近は他機体と対バルでぜんぜんパターンの違う人も多いです。
そのときにはいつもはやらないこともやってみましょう。
仕込み→攻撃のテンポを変えたり、ハシラに据えている攻撃を変えたりしてみましょう。
意外とそれだけで勝てたりすることも結構ありますが(^^;

対戦中、または対戦後に自分が対戦相手を観察するポイントは以下のようなところです。

・こちらの何を狙っているか
着地を徹底的に狙っているのか、特定の連携を潰そうと狙っているのか、
もし完全にタイミングを取られているようならその行動を連携から外すか、
途中までの工程のよく似た連携に切り替えるなどして相手の攻撃(隙)を誘う為のオトリに使います。
相手は大抵ターボ攻撃かダッシュ攻撃を狙ってきてますから、
うまくかわすことが出来れば大きなチャンスになります。

・こちらの何を基準に動いているのか
ラピッドの空中設置でしょうか?空中横ダッシュでしょうか?
大抵なにか判断の基準にしている行動があります。
相手の攻撃、回避のタイミングがこちらの行動で作り出せるのなら
適度にフェイクを混ぜることによって相手を混乱させ、
うっかり先出しした硬直でこちらの攻撃をかわせない状況に追い込んだり、
マークを絞らせないことによって仕込みを楽に行ったりすることが可能です。

・過剰に反応する行動は何だろうか?
こちらのある特定の行動に関して相手が定型的な行動をとる場合、それはこちらの狙いになり得ます。
例えば、こちらのジャンプを様子見して必ず着地を狙ってくるようなら
様子見のタイミングにハウスや鬼マインを合わせてやれば有利に立てます。
たとえかわされても攻撃のタイミングを外されるわけですからこちらへの狙いは散漫になるでしょう。
空中設置のビットに決して近付かないのなら相手の行動範囲をせばめる(予想する)のに使えます。
空中横ダッシュCWに回避の準備をするようなら
空中横ダッシュキャンセルによって仕込みの時間を稼げます。
もしダッシュキャンセルからの仕込みを覚えてそれを狙って来はじめたら
また素直に攻撃してやるとよいでしょう。

・相手の苦手な攻撃は何だろうか
突進時に置いておかれる攻撃が苦手、視界外からの攻撃が苦手、予
想外の攻撃が苦手、ウニマインが苦手、バルカンビットの被弾率が高い、
ビットの配置を覚えていない、などヒットさせやすい攻撃を見極めます。

・相手の得意な距離は何だろうか
近接距離まで近付いてくるのか、出来るだけ離れようとするのか、
攻撃の当たりやすいところで付かず離れずになるのか、
遠距離から近接距離まで頻繁に出入りするのか、理解するだけでだいぶ予想が立てやすくなります。

・相手が頼りにしている攻撃は何だろうか
必ずあります。追い詰められたり苦しくなってくると出してくる切り札が。
大鎌かダッシュハートかちらしかサーフィングラムか、
それを読んでかわす、もしくは潰せれば土壇場の逆転が防げます。
おまけに相手は少なからず動揺します。つまり隙もできます。

・相手はこちらに何をさせたがっているのか
ダッシュ攻撃の先出し?ジャンプ回避?近接離脱?遠距離戦?
自分を追いかけさせたがってる?相手の狙いを外すのは肝要です。また予測にもなります。

・自分のダメージ源は何なのだろうか
負けるときには必ず食らっている攻撃というのがあるはずです。
どういう状況でもらっているのかも合わせて考えましょう。
以外と相手に誘い込まれ、いいようにおどらされているものです。

・相手の性格は
逃げられると追わずにはいられない、予想外のことにはビックリしてしまう、
相手の嫌がることを繰り返し狙ってくる、熱くなりやすい、
有利に立ったら必ず守りに入る、画面しか見ていない(空間的な把握をしていない)、
などです。どれも相手の行動予測に役立ちます。

だいたい分かってきたでしょうか?大まかに考えると以下の2つになります。

・相手の行動がパターン化する(先読みできる)のはどんなときか
攻撃の当て所です。

・こちらが狙われているのは何なのか
回避のポイントです。

上記のような観察により、例えば
「このエンジェランは遠距離戦における回避に絶対の自信を持っており、
常に相手から離れるように行動している。
それによって相手の行動を「こちらへ向かってくる」という内容に絞り、
レーザーやコンペイトウなどの置いておく攻撃によってダメージを奪っている。
それゆえ遠距離でいくらでも「待って」いられる相手にはいまひとつ勝率が悪いようだ。
近接に対しては高空ジャンプからのブレス龍、もしくは近接レーザーによって回避、
遠距離に関してはブレス龍とうまく連携した置きレーザーによって対処している。
得意とするのは移動する鏡をくぐりながらの移動とブレス龍との息の合った連携、
全距離で命中率の高い先読みレーザーである。
大差をつけられると近接連携や双龍との連携によって大ダメージを狙ってくる」
などと解析できます。
ここまで分かればあとはどうしたら良いか考えます。
相手は追っかけさせるのが得意パターンですからまず追いかけません。
遠距離向けの連携を考えておきます。
右手マインやお茶柱レーザーなど視界外からの立体的攻撃が有効でしょうか?
相手はレーザーが得意技ですから不用意にダッシュしないのはもちろん、
レーザーを撃てないようにマインやSEFを常に出しておきます。
立ち止まれないようにするわけです。
ブレス龍の回避は相殺メインでレーザーの射線に立たないように障害物を挟みましょう。
差をつけたら相手が挑んでくる近接には気をつけて、
双竜連携には痛くない攻撃(氷柱やレーザーなど)を選んでとっとと転んでしまうのがよさそうです。
さあ対戦です!

現在、自分はここまで相手を分析して連携を組み立てるのに20分くらいかかります。
まあ大抵の場合ここまでする必要はないですし、こういったことは慣れですから、
もし対戦中にリアルタイムでこういった分析が可能になったならば
その時がバル最強伝説の幕開けと思っています。

<オチ、もしくは教訓>

先ほどのエンジェ戦の結果、相手は何を思ったのかガンガン前ダッシュ攻撃をしてきました!
とっさに対応できずボロ負け(笑)
対策にとらわれすぎていて柔軟さが足りませんでした。
どうやら彼のバル対策は距離を詰めて何もさせないことみたいです。
あれ?対策立てる前に対戦したときと違うぞ?(^^;
だいぶ連勝していたので遊んでみたのでしょうか?
今度同じパターンで来たときは近接、横スラCW、即ラピなどで迎撃してやることにしましょう。
楽みが尽きないなぁ、くそ〜(^^;

<そして最近>

先のエンジェにはしばらくのち再戦し、
3タテで勝利できました(^^)v(実はぽかーんエンジェ・・・げふん、げふんっ)
とりあえずリベンジされる前に勝ち逃げしました(笑) 
ふむ、最近対戦していて思うのですが、なかなか自分パターンで勝てません。
上記のように対策していれば勝てるは勝てるんですが、
どうもキビシイ対戦になってしまい、自分の楽しい対戦にならないんですね。
勝っても作業プレイだったり(^^; 
はて、これはバルのキャラ特性的な問題なのか、自分のキャラクター的特性によるものなのか(笑)
・・・多分まわりに比べて自分の技量が低いせいなんでしょうけどね、いやホントに(^^; 
のんびり続けていきますよ。
「なんでもいいからがんばれ♪楽しくなくちゃウソでしょ♪」です。
そしてバルの地平は果てしなく広い・・・

頭を柔軟に、意表を突いて、クレバーに、そして遊ぶ心を忘れずに・・・。

なんてったって電脳空間の道化師にして宇宙忍者、バレエダンサー熊川哲也ですから(笑)

ではまた!(シャー)

バルスケーターズ事務局へ戻る宇宙忍者屋敷へ戻る